編集長インタビュー『mini』見澤夢美

パンツやスニーカーがマストアイテムなストリートファッションを、長年リードしている『mini』

2021年4月には「ジェンダーフリー宣言♡」というキャッチコピーを打ち出し、男女が垣根なく読めるファッション誌として進化しました。

今回は、そんな絶好調のminiで編集長を務める見澤を紹介します。

mini編集長 見澤夢美

見澤は大学卒業後、アルバイトとして2004年にsweet編集部に。

その後2006年に宝島社の社員となってmini編集部へ。

2011年に編集長に就任しました。

長年にわたりストリートファッションを見てきた編集長は、現在の若い子の意識の変化をどう感じているのでしょうか。

「“ジェンダーフリー宣言♡”は時代に合ったキャッチーさがあると思うのですが、miniからすると新しいことではなく、改めて言語化してみた、というイメージです。miniっこは、昔からメンズ服を着て、男の子みたいな格好がかわいいと思ってる勢。

創刊当初から媚びない、自由なマインドは実は変わっていないように感じています。

とはいえ、その時々でトレンドはあり、いかにもな甘辛MIXが流行ったり、スポーツブランドの服をデイリーに着る韓国ストリートが流行ったり、今はまたちょっと甘めなほうにシフトしていたりと ストリートという軸はブレずに変化している印象です。」

mini編集部はいつもハマッているドラマ、配信番組、アイドルの話などで大盛りあがり。

雑談の流れから、誌面や付録の話に繋がっていくことも。

日々、流行やネタをどのように情報収集しているのでしょうか。

「友人や仕事仲間、SNSなど。最近よくお仕事させていただいているジャニーズに関しては、徹底的にSNSを見漁っています。

私自身が沼の入り口も、沼の落ち方もよく知っているので、元来のオタク気質がいかんなく発揮されています。

不器用系編集者なので、愛がないといいページが作れなくて(笑)」

編集部員も驚きの編集長の情報収集力。

「見澤さんは、“同じ24時間だよね……?”と感じるくらいに地上波ドラマ、Netflix、

恋愛リアリティショー、YouTube、オーディション番組……あらゆるエンタメを網羅しています。

情報の吸収力、ハマれる能力が優れていると思います!」(mini編集部員)

そんな情報収集力や元来のオタク気質が存分に誌面に活かされているのが「韓国カルチャー企画」。

読者からも反響のある人気企画です。

スタッフの間でも見澤の韓国好きは有名!

「元々は韓国ドラマから入って、K-POPに流れて、この業界の韓国好きの人と繋がっていき、

気づけば年に何度も渡韓するようになっていました。

BIGBANGの入隊前最後のライブはソウルまで見に行ったり、BTSはここまで知名度がない頃からライブに行っていたり。

夜になると街が眠りから覚めるように活気づき、ひと昔前の日本のようで、カルチャーと旅の両面からぐいぐい引き込まれ、沼落ちしました。

ほどなくして日本で韓国ブームがやってきたのはラッキーでした。

自分の興味があることや見せたいものと、読者の求めているものが合致しているなと感じましたし、

自分の趣味嗜好が存分にminiに活かされた時期でした。

何をするわけでもない、ただそこに住んでいるかのように過ごすだけ。

友達に会って、買い物して、カフェでお茶して、朝までお酒を飲む。

韓国に行くなんて、渋谷に行くような感覚(笑)。

ただ、それがコロナで2年も渡韓できていません……! 早く行けるようになりますように‼︎」

旬な有名人をかなり早い段階で起用するのもminiの魅力。

オファー殺到の人気者も、ストリートファッションを身にまといmini色に染めていきます。

誌面作りで心がけていることは?

「いま大人から若者までを強く突き動かす力は“推し”にあります。

ジャニーズ、K-POP、LDH……これらに年齢は関係ありません。

最近では、男の子特集についても『miniなら間違いない』『自分の推しもminiで見たい』、

そして誌面を見たあとに『期待を超えてきた』と言っていただけるようになってきました。

ファッション誌編集者として培ってきた絵づくり&ファンへの共感力で、より被写体の魅力を引き出すというのは、

我々にしかできないことだと思います」

今後のminiの展望は?

「宝島社の雑誌で一番若い読者層を担っていますが、一方でまさに自分のような、

ストリートを抜け出せない大人もいるので、どっちもまるごとminiで引き受けたい気持ちです。

ファッションに男も女も関係ない、一生ストリートが好き、常に推しがいる……その世界線がmini。

足を踏み入れてくれた読者をどんどん巻き込んでいけるような雑誌づくりに努め、

miniのファンダムを大きくし、より一層“読者に求められる雑誌”でありたいと思います」

『mini』は、ストリートファッションに、推しにと、盛りだくさんの内容でますます盛り上がりを見せています。

プライベートでは陶芸にハマっているという見澤。

今後、誌面で活かされるかも? “好き”を原動力に突き進む『mini』に今後もご期待ください!

(問)宝島社 tjad@takarajimasha.co.jp